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特講・用土カタログ

■発行番号 ■発行日


■コケの生育場所はさまざまで、たとえば露出した土や砂混じりの排水の良い土に育つスギゴケやスナゴケ。林の中の腐葉土上、芝生や茅葺き屋根、岩の上、倒木や樹皮に育つ苔など、いろいろな場所で苔は育っています。
岩の上やブロック塀にも見られる苔植物は根を張りませんし、根から水分や栄養を吸収しないので、極端に言えば土が無くても苔は育ちます。しかし・・・・

スギゴケを植えて2〜3年すると、育ちが悪くなりがっかりしてしまうことがあります。原因の一つとして考えられるのが土です。掘り返すことのない表土は硬く締まり、小さな新芽が育たなくなっています。一度植えたら天地返しされない苔庭では、植え付け前の土作りが重要になってきます。

土作りのポイントは通気性、排水性、保水性、軽さです。保水性は乾燥時に水分を安定して放出します。排水性は大量の雨でも水溜まりを作らず排水すること。通気性は土が固まらず、軽さは苔を窒息させません。

園芸店などではいろいろな土が売られています。苔園芸の第一歩は土作りです。単品の土をブレンドして培養土や苔目土を作ります。ここでは単品の土の特性を説明します。



黒土
川砂
山砂







 関東地方に分布する火山灰土の表土で黒ボク土ともよばれ、有機物を多く含んでいます。粘度分が多いためコケ園芸の単用には適さず、排水性を良くするような素材を混ぜて使用します。良い黒土の選び方は団粒構造のしっかりしたもので、乾燥しているときに手にとって粒の大きいものほど排水性のたかい良い土といえます。   基本となる土です。関東地方ではどの園芸店で普通に売られている土ですが、入手できない場合は畑土(畑や庭の土)を利用して下さい。
  川砂は排水性があり保水性はなく、また桐生砂は風化の進んだ火山砂礫で、保水性にも優れています。しかし流動性があるため、単体使用では雨に流されたり、強い雨の跳ね返りなどおきるため、安定、定着が必要な苔の生育を妨げます。苔園芸では黒土や庭土に土壌改良材的に混和して使います。スナゴケのような砂質を好む苔では川砂を主に黒土などを混和します。   粘質のケト土や黒土に混ぜることで土が軟らかく(固まりにくい)なります
川砂に対し山で産出するのが山砂で、粒は川砂ほど均等ではなく少し黄色味。苔との相性は良く、北陸などの地域ではよく使われ、単体でも目土として使うことできます。しかし粒の大きさが均等でないため、粒が小さすぎる山砂はかえってコケの生育を阻害することもあります。このため川砂以上に質が問われる素材です。園芸店での入手は難しいのですが、粒が大きくさらさらした良質の山砂が入手できるのであれば、是非使いたい素材です。

鹿沼土
赤玉土
ケト土


挿し芽用
細粒
練り上げ
栃木県鹿沼市周辺で産出する黄色の玉土で、粒の大きさによって分けられ、ホームセンターや園芸店での入手できます。火山性砂礫が風化したもので通気性、排水性ともによく、調整用土にも使われます。大きな粒のものから挿し芽用の細粒、さらに微塵のものもあります。苔園芸で粒の大きなものは鉢底石や庭の土壌改良に使います。挿し芽用の細粒は苔用土、苔目土、苔玉盆景土などに混和し、また大型の苔には鉢の表土に化粧砂としても使用します。微塵のものは苔園芸では使用できません。
 関東地方の火山灰土で粒状なため排水性があります。粒の大きさによって分けられ売られています。苔園芸での用途は鹿沼土と同じです。大きな粒のものから挿し芽用の細粒、さらに微塵のものもあります。苔園芸で粒の大きなものは鉢底石や庭の土壌改良に使います。挿し芽用の細粒は苔用土、苔目土、苔玉盆景土などに混和し、また大型の苔には鉢の表土に化粧砂としても使用します。微塵のものは苔園芸では使用できません。

湿地に生えるヨシなどの植物が堆積し、分解途中の粘りの強い土です。色は黒く保水性がありますが、通気性はありません。盆栽や盆景の石づけに使われ、苔園芸では岩の窪みへの苔の定着、苔玉土の素材になります。苔玉土では単体での使用には適さず、川砂や樹皮培養土、赤玉土細粒などを混ぜます。入手は容易で,園芸店などでは2kgの小袋が多いようです。

荒木田土
植物性用土
バーミキュライト







川の堆積した土や田圃の下層土で、保水性のある灰色の粘質土です。ケト土の代用になりますが、単体使用すると固まりやすく、苔園芸では調整土をいれて使います。ケト土が入手できるのならば苔園芸で用途はありません。
樹皮培養土、水苔、山苔、のほかパーク、椰子殻、シュロ皮など植物性の用土です。樹皮培養土、水苔、山苔は下段参照。パークは樹皮を適当な大きさに切ったもの。シュロ皮は種まきマットに使われたりします。ハイゴケは植物の繊維に絡みやすく、シュロの繊維にハイゴケをまいておくときれいなハイゴケマットに育ちます。入手できれば是非試してみてください。
蛭(ヒル)石を加工したもので、層状に薄い板が集まったところに水分を保持することができます。苔植物の用土には軽さが必要で、バーミキュライトやパーライトのような調整用土は重宝で、特に苔目土には必需です。

パーライト
ゼオライト
つぶ軽石






粒の大きさはいろいろ
真珠岩を加工して多孔質にしたものでコケ庭の土壌改良向け。肥料分を保持することはできませんが、コケ園芸では肥料分を必要としないため問題はありません。通気性を良くして、土を軽くします。苔植物の用土には軽さが必要で、バーミキュライトやパーライトのような調整用土は重宝です。色は白色のため苔目土に混ぜると少し目立つかもしれませんが、調整用土としての用土作りにお勧め。
調整用土で多孔質の石。保水性にすぐれ、粒状のものはけと土に混合すると通気性が良くなります。ケト土や荒木田土に混ぜて使用します。
通気性のとても良い多孔質の石です。粒の大きさによって分けられ売られています。大粒のものはコケ庭の底に敷き詰めたり鉢底に使用。た細かなものは苔用土に混ぜます。排水性と保水性のバランスが良く、大粒のものでも軽いため、大型の苔にはとくにお勧めです。 細粒なら飾り砂としても利用できます。

天然砂礫
樹皮培養土
樹皮堆肥






高く積んで発酵
富士川砂、矢作砂、富士砂(火山性)などで、山野草などでは基本用土として使われます。粒の大きさが均等でないため、苔園芸の化粧砂としてはあまり使いませんが、用土の通気性が良くなるため土に混ぜて使います。
    杉やヒノキの樹皮を粉砕したもので、農業では水耕栽培用土、土壌改良に多く使われています。細かく粉砕したもので繊維質のしっかりしたものがコケ園芸には向いています。園芸店での入手は困難。  入手できないときには同じ植物性のミズゴケ、または繊維質の長い北海道産のピートモスを利用します。しかし、ミズゴケ、ピートモスはいずれも酸性が強いため苔園芸で単用での利用に適していません。調整用土として使います。樹皮培養土は植物性改良用土としては極めて腐りにくく(ピートモスも分解は早くないが樹皮培養土はさらに腐りにくい)、pHも6程度で長期的にも安定しているため、コケ園芸では基本用土として単体で使うこともできます。たとえば苔玉の元玉作りにミズゴケ単用での使用は適しませんが、樹皮培養土なら単用で元玉を作ることができます。
杉やヒノキの樹皮を粉砕しこれを発酵させたもの。製品によってはピートモスを加えてさらに酸度調整したものもあります。これらはコケ庭での土壌改良に利用できますが、苔玉や盆景、鉢盆栽には適していません。

ミズゴケ・山苔
腐葉土
ピートモス







ミズゴケは保水力が高く、観葉植物の用土や挿し木、苗の培養土として園芸店で売られており入手しやすい素材です。繊維が長くて、太くて丈夫なものが良いでしょう。    ランや挿し木では単用が一般的ですが、酸性が強いため苔園芸で単用には向きません。樹皮培養土の代用

山苔
ホソバオキナゴケやアラハシラガゴケなどのシラガゴケを乾燥して粉砕した植物性の園芸用土。近年国内産のものは少なく、北朝鮮や中国などからの輸入が多いようです。苔園芸では樹皮培養土や水苔の代用。

落ち葉が適度に腐植したもので単用されることはなく、他の土と混合することで良質の培養土を作ります。コケ園芸ではコケ庭の土壌改良として使用します。市販されているものの中には葉の形がはっきりと残ったものも売られていますが、植物体として小さなコケに腐植の未熟なものを使用すると、かえってコケの生育を阻害する場合もあります。腐熟したものを使い、沙羅に粉砕できれば良いでしょう。
     

ミズゴケが腐植して泥炭化したもので保水力、排水性に優れています。<BR>
     分解が早くないので用土として適していますが、酸度が強いこと(酸度調整したものも売られています)と一度乾燥するとなかなか水を吸収しにくいという欠点があります。<BR>
      コケ園芸では黒土、砂にピートモスを混ぜると良質の目土になります。コケの種類によってそれぞれの用土の分量を変えます。スギゴケ、ヒノキゴケなどは黒土を多めにし、排水を必要とするものは砂を多めに、また樹皮に定着するコケはピートモスまたは樹皮培養土を多めに混ぜるようにします。