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スギゴケのはりゴケ


                      モスプランのスギゴケ圃場



■栽培スギゴケと自生のスギゴケの特徴
 園芸利用されるの苔で、スギゴケは庭園資材の定番として最も多く利用されており、生産面積は広く、栽培も確立されています。ハイゴケや山苔などのコケも容易に入手できるようになりましたが、まだ採取したものが山取りのものが多く流通しているようです。この生産の違いは苔園芸ブーム以前からの需要もありますが、特に苔によって自生地の生育環境で育った苔が園芸で「利用できる」、或いは「利用できない」ということがあります。

スギゴケは木漏れ日の当たるような林の穏やかな場所で、半日陰で表土が露出したようなところに自生し、よく見られます。このような穏やかな安定した環境で育っているため葉色は美しいのですが、生育密度が疎で、長く徒長し、葉も大きくぼさっとした印象ですが、何より軟弱です。
 これに対して圃場栽培されるスギゴケは上記画像のように、遮光ネットもない炎天下で自然の降雨だけで栽培され、寒風や夏の日射しにさらされるため葉色は季節により悪くなりますが、とにかく剛健です。
 この生育環境の違いは、路地に植えた時に顕著に表れます。お庭の路地は自生地環境よりも生育環境は厳しいため、採取したスギゴケではまず定着できません。これに対して炎天下で育ったスギゴケは庭園路地であれば定着も容易です。

 乾燥に強い山苔やハイゴケは、自生地環境よりも庭の路地環境のほうが穏やかであるため、山取のものも利用できますが、自然のスギゴケは庭園には利用できないと考えてください。

■スギゴケ植え付けのポイント
  多くの苔は表土や樹木、岩上から剥がれやすく、土は付かないのですが、スギゴケマットには土が付いてきます。土のないコケの植え付けは、表土に並べて目土を被せ、軽く踏み付けるだけで作業は完了しますが、土付のスギゴケを同じように植え付けても表土に密着せず、表土から苔が浮いたような状態になります。特に栽培スギゴケはローラーで鎮圧しており、自然のスギゴケより土が硬く締まっています。これを表土に並べて踏みつけただけでは土は崩れず、表土と密着しません。地面に密着していない苔は乾燥しやすく、乾燥を繰り返すと土はさらに固く締まり、新芽も育たなくなります。スギゴケ植え付けのコツは、苔マットを表土を崩して、表土と重文に密着させることです。


■はりゴケの準備 

スギゴケは最低気温が10度以上あればよく育ちます。植え付けは、暖かい地方ならば3月上旬ぐらいから、寒い地方は3月下旬ぐらいから準備を始めます。パレットや育苗箱などを温室で管理できるのであれば、冬でも問題ありません。庭の表土は充分に耕し、雑草の根などは取り除いておきます。通気性の良い土を作るために土壌改良材に軽石砂(5〜10mm程度)、川砂、バーミキュライト、鹿沼土などを混和します。雑草の種が混じっているようならば発芽させてから耕します。何回か繰り返すと雑草も無くなります。

■スギゴケの選び方

生育環境により葉の大きさや色に大きな差違が出てきます。どうしても日陰の穏やかな場所で育ったスギゴケは葉の緑が濃く、茎は細くなります。できれば明るい緑色で茎の太いもの。寒風や直射光で少々赤く焼けていても、成長が早いので問題はありません。栽培商品でも、細く弱そうな苔がきれいに生え揃っているものは、温室や日陰地で短期間に育った場合があります。スギゴケはその土から新しい芽を出すので、すでに伸びている苔が生え揃っているよりも、まばらであっても小さな新芽が出ているような、丈が短く地力のある苔を選ぶようにします。地力がれば、苔を刈りとっても翌年にはきれいに生え揃います。

はりゴケ作業

乾燥したスギゴケは、はりゴケ作業で苔がポリポリ折れてしまうので、作業前に軽く水を撒いて葉を広げておきます。はりゴケのポイントはスギゴケマットを表土にを完全に密着させること。コテを使うときは、苔マットの土を表土に埋め込むように、少しずつ崩していきます。ゴムハンマーを使うときは、マットの土を少しずつ崩すように丁寧にたたき、苔を引っ張っても持ち上がらないようにします。スギゴケは崩れて完成時の見栄えは悪くなるかもしれませんが、コケマットの土を崩し表土に十分に定着させます。完全に密着させるには1uあたり20分ぐらいの作業になります。広い面積に鳴門かなり大変です。

ポイント・・・・植え付けて一年目は苔マットに地力があり青々としていますが、2年目になると土から新芽も伸びず衰えていくことがよくあります。密着の不十分な杉苔は表土から浮いた状態ですぐに乾燥します。乾燥すると水やりが頻繁となり、苔は徒長が抑制されず軟弱に大きくなります。伸びすぎた苔の根元は蒸れやすく、充分な光も届きません。土の排水が悪いと、その土も硬く締まってきます。乾燥、蒸れ、日照不足、通気性の悪い土では新芽は育ちません。新芽を育てるポイントは @通気性が良く軽い土作り A苔を表土に完全に密着させる B徒長抑制(水をやりすぎない、踏み付け、適当な刈り込みなど)

■ 苔目土をふるい散水 

    密着作業が終わったら最後に苔目土をかけます。苔目土の作り方については特講・苔目土をご覧ください。大型の苔は目土に軽石(5mm程度)を混ぜても良く育ちます。目土をならしてからたっぷりと散水します。ホースでの散水は乱暴です。最初はジョウロで丁寧な水やりを心がけます。

■ 管 理
                       目土・・・・は表土の乾燥と強い陽射しを防ぎ、発芽を促します。施工後も必要に応じて目土してください。左の画像はつぶ軽石を目土にしたもの。大型のスギゴケは大粒の軽石でも充分に育ちます。右の画像は冬の寒冷紗掛け。寒風対策です。
   散水・・・・早朝と夕方にたっぷりと与えます。蒸れを起こすので陽の射す場所の日中の水やりは厳禁です。
   除草・・・・雑草の芽が小さいときにこまめに取り除いてください。作業時はゴム草履のような底の平らな履き物が適しています。乾燥した苔は折れやすいので、作業前には軽く水やりをします。適度な踏みつけは、コケの徒長を抑制し、発芽も促しますので作業時の踏みつけはあまり気にしないで下さい。雑草の芽が一斉に発生した場合は除草剤(プリグロックスL)を使います。コケに薬害が出ますので曇った日に通常より薄めて(150倍程度)使い、コケには集中的に掛からないようにします。
越冬・・・・雪や寒さには強いのですが、乾燥した寒風で赤く変色を起こします。地域によっては寒冷紗が効果的です。霜柱でもちあがったスギゴケは、春に踏み付けをおこない密着させてます。