2005年4月 完成10ヶ月後    2006.4.28 回復した苔玉

苔玉が完成して3ヶ月後。青々としていたコケが、毎日の水やりの甲斐もなく徐々に茶色くなり、半年もすると真っ黒な玉だけになることがあります。完成したときよりもむしろ悪くなる方が多いかもしれません。
「苔玉がうまく育たない。失敗してしまう。」というお問い合わせが多く、管理が難しいと言われますが、実は苔玉が茶色くなったり、真っ黒になるのは一時的なもので失敗ではありません。コケの特性を理解すれば回復に時間はかかりますがいたって簡単なことがわかります。

2004.07 苔玉制作

栃木で苔玉を制作し東京都大田区の屋外(庭)に置く。
制作して9月までコケの葉は伸る。秋は苔の生育によい季節ですが徐々に葉の色が悪くなってきました。

右画像は2004.9.9制作のものではありません。

2004.10 苔玉が真っ黒になる

乾燥させないように水やりをしたが、伸びた葉は茶色くなって腐り、全体が真っ黒になりました。コケは生育環境が変わるとすぐには順応できません。特に室内はとても乾燥しており、自然の中で育った苔にとっては砂漠のような環境ともいえます。このため水を充分に与えても茶色くなったり、ほとんど腐って真っ黒になることがありますが、水やりはやめないで下さい。  画像は2004.3月 回復し始める。

2005.4  コケの発芽

東京の冬は屋外に置いても凍ることはないので、乾燥させない程度に水を与えました。東京の3月は暖かく、真っ黒だった苔玉の表面から新しい芽が伸び始めました。(上の写真)
4月には小さな芽が全体に見られます。

2005.7  

苔玉作成から12ヶ月。苔玉表面を新しいコケが覆い始めています。梅雨の季節、苔はみるみる青みを増していきました。
12ヶ月間に行ったのは水やりだけです。

2005.11  生育順調

新しく伸びた苔で覆われてきました。作成したときは長く伸びて弱々しかった苔の葉でしたが、新芽から伸びた苔の葉は、東京の環境に順応し、葉は短く詰まっています。数日水やりをしなくても茶色くなったり枯れることはありませんでした。

2005.4.28   21ヶ月目

2個の苔玉では回復にも差がありました、冬を越して21ヶ月目でほとんど回復しました。葉が伸びすぎるところは刈り込んでください。下からは新しい芽が旺盛に伸びてきます。

屋外の日陰に放置し、水やりだけを欠かさないようにしました。時間はかかりましたが、いずれの苔玉も回復しました。東京では水道水を直接使いましたが生育に問題はなかったようです。

自然の林や圃場のような恵まれた場所で育った苔は、環境が変わることですぐには順応できず、変色したり表面が黒く腐ってしまうことがあります。しかし苔はとてもたくましい植物です。ただ生育が少し遅いので気長なつきあいが必要かもしれません。

右画像 どぶ浸けでの水やり


直線上に配置